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グローバル物流のニーズに応える!
高速&大量の段ボール生産を可能にした「製函機EVOL」

製函機EVOLの写真

60年以上の歴史!
最も身近な物流インフラ、段ボール箱の製造機械

ネット通販の急速な普及拡大に伴い、世界的に物流ニーズが急増している。皆さんも普段からこうしたサービスを利用することで、自宅やオフィスに様々な商品やモノが届けられていることだろう。

その際、必ずと言っていいほどお目にかかるのが段ボール箱だ。
ご存知のように、私たちにとって最も身近な段ボール箱は、軽くて丈夫、扱いやすくリサイクル可能という万能性を持っている。

三菱重工機械システム(MHI-MS)は、1955年から段ボール箱を作る製函機の開発・製造を手掛けている。つまり60年以上にわたり日本、そして世界の物流を支え続けてきた豊富な実績を持っているのだ。

段ボール箱と物流のイメージ写真

あまり耳慣れない『製函機』。その仕組みとは?

段ボールに係る紙工機械は、大きく次の2つに分けられる。

コルゲータ

原紙(ロール状の紙)から大きな段ボールのシートを作る。

製函機(せいかんき)

コルゲータで作った段ボールシートに、印刷・成形して段ボール箱にする。

MHI-MSはこれらの紙工機械を開発・製造しているが、今回クローズアップするのは「製函機」だ。
その基本的な仕組みと製造工程を、簡単に紹介しよう。

製函機の仕組みと製造工程のイラスト

段ボールの製造工程

  • Step1

    給紙部

    板状の段ボールシートを投入する。

  • Step2

    印刷部

    搬送コンベアで運びながら、シート上面に必要な情報やデザインを印刷する。

  • Step3

    排紙部

    箱を折り曲げるための「罫線入れ」、「溝切り」を行う。

  • Step4

    フォルダグルア部

    箱にするための「糊付け」「折り曲げ成形」を行う。

  • Step5

    カウンタエゼクタ部

    段ボールシートの枚数をカウントしながら積み上げ、所定枚数ごとに払い出す。

このように、1台の機械で印刷から箱の成形までの複数作業を行う製函機には、「大量の段ボール箱を低コストかつスピーディに生産」する、独自機能が集約されている。

世界最速!
最新型製函機『EVOL』は、従来と何が違う?

最新型製函機『EVOL』の写真

生産性・品質・使いやすさへのあくなき追求

MHI-MSが2003年に発売した「EVOL」シリーズは、世界的にヒット中のロングセラー機。その大きな理由は、従来の製函機では成し得なかった高性能性と高い生産効率だ。

Point1

高生産・高効率

前機種の1.6倍にあたる、世界最速の生産スピード(400枚/分)を実現。
また自動セット替え機能等の採用で、製造する箱別に機械の設定条件を変えるためのセット時間を60%削減し、生産効率も大幅にUP。

Point2

多品種への対応力

機械の「ロール径と配置」を見直すことで、さまざまなマシンサイズを揃えることにより、最小流れ寸法(機械に通す紙のサイズ):220ミリメートルから1,150ミリメートルまでの、幅広いサイズの箱の生産が可能に。
また独自の「サーボ制御」「積み上げ方法」を採用し、大小さまざまな形状の箱を、高速で安定して積み上げることができる。

Point3

高品質・高精度

国内初となる「一枚ベルト式搬送機構」の採用で、高速運転時や短尺シートの印刷ズレを解消し、高品質な印刷精度を実現。
また、印刷濃淡による印刷時の「インキロス」や「シートロス」の低減、箱詰めの自動化に対応する「折れ精度の向上」など、高効率&高精度な生産をサポートしている。

一枚ベルト式サクション搬送コンベアのイラスト

高いシート搬送精度を実現した、一枚ベルト式サクション搬送コンベア(特許取得済)

EVOLの特徴図

このように飛躍的に性能が高いEVOLシリーズは発売以来、海外の「大量・高速生産ニーズ」や、日本での「小ロット・高品質生産ニーズ」にこたえてきた。

さらなる高みへ!「生産力2倍」を実現する生産方式とは

そして2018年、これまで以上に進化した最新型EVOLが誕生することに。
近年国内のみならず、世界的にインターネット通販の市場が急速に拡大している。

コンビニ配送など流通形態の変化に伴い需要が増した「小箱」を、さらに高速・大量生産する性能が製函機に求められるようになったのだ。

そのミッションは“従来比生産能力の2倍”、つまりこれまで世界最速だった1分あたり400枚の生産能力を、2倍の800枚へと一気に引き上げるという、いまだかつてないスペックへの挑戦だった。

そこで着目したのが「2アップ生産方式」という、1枚の段ボールシートから2箱分製造するスタイル。
以下の図のように一度で2箱分の「印刷」と、段ボール箱の折り曲げ時に必要な「罫線入れ」「溝切り加工」を行う。その後「糊付け」「折り曲げ成形」「積み上げ」の工程を経て、最終的に後工程で2分割する。
この方式を使えば、生産能力を2倍に引き上げることが理論上、十分可能となる。

2アップ生産方式のイラスト

長年の難題をクリア!「デュアルスロッターユニット」を新たに開発

「6つの刃」で、2箱同時に精度の高い加工を実現!

シートがつながった状態で2つの箱を作ろうとすると、真ん中の溝がネックになる。
外側は切り出せばいいが、真ん中の溝は従来の技術では、箱の折り曲げ部に「罫線入れ」をした後、木型で打ち抜く「溝切加工」が必要であった。

つまり以前から「2アップ生産」のアイデアはあったが、従来の技術ではセット替えに要する時間、多種の木型の準備やメンテナンスといった点から、実用化に大きなハードルがあったのだ。

そこで“切り札”となったのが、溝をスロッター(削り刃)で切り出し自動加工する新技術だ。

最新機に搭載した「デュアルスロッターユニット」という装置は、これまで1つだったのに対して、新たに2つのユニットを追加。
1ユニットあたり2つの刃がついているため、2箱分の小箱に対して同時に「6つの刃」で溝を少しずつ分割して切り出す、精度の高い「溝加工」を実現したのだ。

従来方式の罫線入れ・溝切り方法のイラスト
デュアルスロッターユニットの構成のイラスト

世界に先駆けた知見を活かして、2アップ生産の実用化に成功!

しかし単純にユニット数を増やせば解決できるわけではない。
狭い装置の中で、ユニット同士の刃がぶつからないように調整。わずか「0.5ミリメートル」のずれしか許されない精度で溝を切り出すために、その位置合わせのための制御機構の改善に根気強い検証が重ねられた。

そしてついに、「ズレなく切断するポイント」を正確に決めるセンサーの精度を高めることで、一つの溝を複数の刃で加工する独自技術を確立した。

他にも大きな壁となったのは、高速かつ大量の段ボールシートを加工することで、「大量の屑」が発生すること。屑が糊付け部分に入り込んでしまうと、不良品が発生してしまうからだ。

このため屑を抑える「エアブロー」を設置し、刃の長さと配置方法を見直すことで、屑の飛散を大幅に低減する方法を見出した。

これら一つ一つの問題に対して、60年以上にわたり培ってきたあらゆる知見と技術を生かした試行錯誤で、「2アップ生産」の実用化に成功したのだ。

北米につづき欧州も!
次々と受注成功~さらなるラインアップ拡充へ

北米市場のイメージ

2018年から本格的に発売を開始した最新型EVOLは、大量生産が中心の北米市場で大変な好評を得ている。

ある顧客の場合、1日当たり約30万箱の生産数が、最新型EVOL導入によって、約36万箱に増加。また北米だけでなく最近では欧州からの引き合い・受注も多く、グローバル市場での反響は大きい。

段ボール生産量のシミュレーションを表すグラフ

段ボール生産量のシミュレーション

2アップ生産の導入で、オーダ比率が上がると共に一日あたりの生産量が大幅に増加することが分かる。

今後は世界の多様な市場ニーズに応えるべく、「高性能&ハイスピード」タイプに加えて機能を特化した低コストタイプなど、幅広い製品ラインアップの拡充を目指している。